2006年、東京都世田谷区で若い女性が殺害された事件を覚えている方も多いかもしれません。
犯人とされたのは、当時20代後半の那須野亮(なすの・まこと)という男でした。
事件は当時も大きな衝撃を与えましたが、2025年に入り、服役中の那須野が刑務所内で再び殺人を犯したというニュースが流れ、世間に戦慄を走らせています。
この記事では、那須野亮の経歴(高校・大学などの学歴)、犯行の動機、そして再犯に至るまでの全貌を、読みやすく整理してご紹介します。
◆ プロフィール:那須野亮の人物像
- 名前:那須野 亮(なすの・まこと)
- 年齢:46歳(2025年現在)
- 前歴:2006年、殺人および強姦致死の容疑で逮捕・起訴
- 刑罰:無期懲役刑(現在は千葉刑務所に収容)
那須野は、学生時代には有名大学に進学していたものの、後に中退。
その後の人生は思うようにいかず、生活は不安定だったようです。
◆ 学歴:名門私立大学の理工系学部に在籍していたが…
彼はかつて、青山学院大学 理工学部に入学した過去があります。
偏差値の高い学部であることから、学生時代は一定の学力を持っていたと考えられます。
しかし、学業に専念することはできず、中途退学。
大学中退後は定職に就くことなく、フリーターとしてアルバイト生活を続けていたようです。
中退の背景には何があったのか?
具体的な中退理由は公表されていませんが、大学卒業後の安定したキャリアが築けなかったことを考えると、
精神的な不安定さや人間関係の問題があった可能性も指摘されています。
◆ 出会いと犯行のきっかけ:アルバイト先で知り合った斎藤静香さん
那須野が通っていた居酒屋でのアルバイト中に出会ったのが、当時22歳の斎藤静香さんです。
彼女は青森県出身で、美容系の夢を追いながら上京してきた努力家の女性でした。
勤務中に少しずつ会話を重ねていった那須野は、次第に彼女へ好意を抱くようになります。
しかし、その感情は一方通行で、斎藤さんは彼に恋愛感情を抱いてはいませんでした。
◆ 執着が暴走:ストーカー化と犯行計画
那須野は、斎藤さんに対し執拗なまでのメッセージを送り続け、確認されているだけで60通以上に及んだとされています。
その内容は、徐々に一方的で情緒不安定なものに変わっていったそうです。
斎藤さんは明確に好意を示しておらず、距離を置こうとしたことで、那須野の心の中では拒絶されたという意識が強まりました。
そして、ついには彼女の行動を監視したり、プライベートを詮索するなどの“付きまとい”がエスカレート。
この頃には、既に彼の中で殺意が芽生えていたと考えられています。
◆ 2006年12月:世田谷のアパートで起きた悲劇
斎藤さんが殺害されたのは、2006年12月28日の夜。
場所は彼女の住む東京都世田谷区大原のアパートでした。
那須野は、事前に彼女の鍵を盗み、合鍵を作成するなど入念な準備をしていたことがわかっています。
さらに、睡眠薬や顔を隠すための目出し帽まで用意し、待ち伏せをして犯行に及びました。
結果として、彼女の命を奪っただけでなく、性的暴行も加えたという凄惨な内容が明らかにされました。
◆ 犯行後の行動と逮捕
那須野は犯行直後、斎藤さんのカードケースなどを持ち出し、証拠隠滅を試みます。
しかし防犯カメラの映像や通信履歴、遺留物の鑑定などから、早い段階で容疑者として浮上。
翌12月29日には、警視庁により殺人容疑で逮捕されました。
◆ 裁判と判決:無期懲役が確定
翌年2007年、東京地方裁判所は那須野に対して、無期懲役刑を言い渡しました。
裁判では、彼の犯行が計画的で悪質極まりないと判断され、極刑も視野に入った中での判決でした。
被害者の無念さ、遺族の深い悲しみは、現在でも忘れられていません。
◆ 服役中の2025年、再び殺人事件を起こす
2025年8月24日、那須野受刑者が収容されていた千葉刑務所内で衝撃的な事件が発生しました。
同じ居室で生活していた別の受刑者(51歳)と口論になり、那須野は金属製の水筒で相手の頭部を複数回殴打。
被害者は死亡し、那須野は刑務所内で再び人命を奪う結果となったのです。
その後の捜査により、8月27日には改めて殺人容疑で正式に逮捕されました。
◆ 世論の反応:「更生」や「無期懲役制度」への疑問
今回の再犯報道に対し、ネットや世論では以下のような意見が多く見られました。
- 「一度人を殺した者に更生のチャンスを与えるべきなのか」
- 「獄中でも凶行に走る人間をどう制御すればいいのか」
- 「被害者遺族の心情はどうなる?」
- 「死刑と無期懲役の“線引き”を見直すべきだ」
この事件は、更生可能性と社会的リスクのバランスという、刑法上の大きな論点を再浮上させています。
◆ 被害者・斎藤静香さんとはどのような人物だったのか
斎藤さんは、美容業界への夢を持って青森県から上京していた、未来ある若者でした。
報道によれば、周囲からは「明るく、礼儀正しく、真面目な人」として評価されていたとのことです。
彼女がこのような悲劇に見舞われたことは、社会に深い痛みと怒りを残しました。
なお、家族や親族の意向により、斎藤さんの顔写真や詳細な情報は公開されていません。
◆ 問われる刑務所の管理体制と制度の限界
那須野受刑者の再犯により、以下のような課題が指摘されています。
▸ ① 受刑者間の人間関係とトラブルの把握
刑務所内では、共同生活を送る受刑者同士のトラブルが絶えません。
精神的に不安定な者や過去に重犯罪歴がある者を同室にするリスク管理が甘かったのではないかとの声も。
▸ ② 無期懲役と更生プログラムの見直し
再犯防止の観点からも、「無期懲役受刑者の行動監視の在り方」「仮釈放制度の透明性と厳格化」などが求められています。
◆ まとめ:那須野亮の事件が私たちに投げかける問い
那須野亮という人物は、学歴・知性を持ちながらも、社会との接点を失い、
自己中心的な欲望と孤立が凶行へと結びついた、現代社会の歪みを象徴する存在です。
彼の起こした一連の事件は、次のようなテーマを突きつけています。
- 犯罪加害者の更生は本当に可能か
- 刑務所の安全性と再犯防止策の実効性
- 被害者支援と報道の在り方
そして何よりも、「一人の命の重さ」と、それを奪う行為の取り返しのつかなさを、改めて私たちに思い出させてくれます。
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