2026年1月、文学界の一大イベントである第174回芥川賞にて、「時の家」で受賞した作家・鳥山まこと氏。建築士としての顔も持ち、異色のキャリアから生み出される物語が注目を集めています。
この記事では、そんな鳥山まこと氏の経歴や学歴、作家としての歩みと作品に込められた世界観まで、多面的に掘り下げて紹介していきます。
■ 鳥山まことの基本プロフィール
- 氏名:鳥山 まこと(とりやま まこと)
- 生年:1992年(現在33〜34歳)
- 出身地:兵庫県宝塚市
- 職業:小説家・一級建築士
- 使用言語:日本語
- 活動開始:2023年(小説家として)
- ジャンル:現代小説
- 代表作:「時の家」(2025年刊)
兵庫県宝塚市出身の鳥山氏は、2023年に文学賞を受賞して文壇デビュー。以降、建築士としての経験を活かした独自の視点で作品を発表し続けています。
■ 作家デビューまでの軌跡
◯ 建築士としての経歴が原点
鳥山氏のキャリアは、作家としてではなく建築の専門家としての歩みから始まりました。大学・大学院では環境デザインや建築学を学び、その後は一級建築士として実務に携わります。
現場で実際に住宅や建物に向き合う中で、「人と空間」「記憶と構造」といったテーマに強く関心を抱くようになり、それが物語として結実していったと考えられます。
◯ 文壇デビュー:2023年「あるもの」で新人賞受賞
初の文学的な評価を得たのは、2023年に発表された短編「あるもの」での第29回三田文学新人賞の受賞でした。この作品では、日常に埋もれていく小さな違和感を丁寧にすくい取りながら、読み手の心に静かに訴えかける作風が高く評価されました。
それまで建築士として働いていた鳥山氏が、文壇に姿を現した記念すべき作品でもあり、ここから本格的な作家活動が始まります。
■ 芥川賞受賞作「時の家」とは?
2025年に講談社より刊行された初の単著『時の家』は、同年の野間文芸新人賞を受賞。そして翌2026年、この作品で芥川賞にも輝くこととなります。
◯ 家という記憶装置をめぐる物語
『時の家』は、一見静かな家族小説でありながら、その根底には「記憶と空間の関係」「住まいに宿る時間の重み」といった、建築的観点からのテーマが貫かれています。
ある家を巡って過去と現在が交差し、登場人物の心情や関係性が少しずつ明かされていく構成は、まさに建築設計におけるレイヤーのような緻密さを持っています。
建築士としての視点が随所に感じられることも、他の小説家にはない独自の魅力となっています。
■ 他の代表的な作品
鳥山氏は、長編作品だけでなく、短編小説やエッセイ・書評なども積極的に執筆しています。
● 小説
- 「アウトライン」(『群像』2024年11月号):都市の輪郭と人の輪郭が交錯する、静謐ながら深い感情を描いた短編。
- 「あるもの」(『三田文学』2023年春号):文壇デビュー作。ものに宿る記憶と、それを受け継ぐ人々の物語。
● エッセイ・書評など
- 「記憶倉庫の(1)番棚」(『文學界』2023年8月号)
- 「本の名刺 時の家」(『群像』2025年12月号)
- 「湖底に沈む百年の物語」(いしいしんじ『チェロ湖』書評)
エッセイでは、自身の家や建築に対する哲学、生活に根差した視点からの考察が多く見られ、文体は簡潔ながらも奥深さを感じさせます。
■ 学歴:理系のバックボーンが作品世界を支える
鳥山氏の学歴は以下の通りです。
- 高校:兵庫県内の高校(学校名非公開)
- 大学:京都府立大学 生命環境学部 環境デザイン学科 卒業
- 大学院:九州大学大学院 修士課程 修了(建築系専攻)
大学・大学院を通じて、建築・環境デザインに深く携わってきたことが分かります。人が暮らす空間の設計を通して、日常に宿る感情や物語への関心が育まれていったのでしょう。
この理系的思考と文学的表現の融合が、鳥山作品の最大の特徴です。
■ 建築士としての活動
小説家であると同時に、鳥山氏は一級建築士としての顔も持っています。現在も、建築の設計・監修業務に関わりながら、創作活動を継続しているようです。
その実務経験が、単なる「文学的空間描写」ではない、生活に根差したリアルなディテールを生む源になっています。
■ 芥川賞受賞の意義と今後への期待
第174回芥川賞を『時の家』で受賞したことは、鳥山まことという作家の存在を文壇に強く印象付ける出来事となりました。
芥川賞の選考委員の間でも、「空間と記憶を結びつける構成力」「抑制の効いた文体」「感情を揺さぶるラスト」といった点が高く評価されています。
今後は、小説という枠にとらわれず、建築と文学の垣根を超えるような新たな創作活動も期待されます。例えば、空間演出と物語を融合させたインスタレーションや、物語に基づいた住宅設計なども十分に想像できる未来です。
■ SNS・メディアでの活動
現在、鳥山氏は以下のSNSアカウントでも発信を行っています。
- X(旧Twitter)@toriyama007
- noteアカウント(joyous_eagle940)
創作に関する日々の思考や、建築と文学をめぐる考察など、読み応えのある投稿が多く、ファンとの距離感も近いのが特徴です。
■ まとめ:建築と文学、二つの世界をつなぐ作家
鳥山まこと氏は、建築士としての知見と作家としての感性を掛け合わせた独自のスタイルで、現代文学に新風を吹き込んでいます。
理系と文系、実務と芸術、現実と記憶——それらの境界を行き来しながら生まれる彼の物語は、今後ますます多くの読者に愛されることでしょう。
また、彼の存在は、「専門分野を持ちながら文学に挑むことの可能性」を示す良いロールモデルでもあります。ジャンルを横断する創作に関心のある人々にとっても、非常に刺激的な人物です。

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