【SHISHAMO】等々力の解散ライブがうるさい?理由なぜ?音響や防音は?
人気バンド「SHISHAMO」の解散ライブが神奈川県川崎市の等々力エリアで開催され、多くのファンが最後のステージを見届けるために集まりました。一方で、ライブ会場周辺だけでなく、多摩川を挟んだ東京都世田谷区など広範囲にわたり「音が大きすぎる」「重低音が響いてくる」といった声もSNSや掲示板などで見受けられました。
ファンにとっては忘れられない特別なイベントである一方、ライブに関心のない近隣住民にとっては騒音問題として受け止められるケースもあります。なぜこれほど遠方まで音が届いたのでしょうか。また、会場の防音対策にはどのような課題があるのでしょうか。
今回は、SHISHAMOの等々力ライブが「うるさい」と話題になった背景や理由、防音対策の現状について詳しく解説します。
SHISHAMOの等々力ライブが「うるさい」と話題に
ライブ当日、多摩川周辺の住民から「ドンドンという低音が長時間聞こえる」「窓を閉めても音楽が伝わってくる」といった意見が相次ぎました。
特に問題視されたのは、単純な音量だけではなく重低音です。高音域は建物や壁によってある程度遮られますが、低音は波長が長いため遠くまで届きやすい特徴があります。そのため、会場からかなり離れた場所でも「振動のような音」を感じることがあります。
ライブ会場の近隣住民であればある程度イベント開催を把握しているケースもありますが、数キロ離れた地域の住民にとっては突然聞こえてくる大音量です。そのため、「何事かと思った」「近所の車の音かと思った」と驚く人も少なくありませんでした。
また、ライブは数分で終わるものではありません。数時間にわたって継続的に音が発生するため、在宅勤務中の人や小さな子どもがいる家庭、高齢者などにとってはストレス要因となることがあります。
イベントそのものに否定的ではなくても、「もう少し配慮してほしい」という意見が出るのは自然な流れといえるでしょう。
なぜ世田谷区まで音が聞こえたのか
多くの人が疑問に思ったのが、「なぜ川を挟んだ世田谷区まで音が届くのか」という点です。
実は屋外ライブでは、気象条件や地形によって想像以上に音が遠くまで伝わることがあります。
まず、多摩川周辺は比較的開けた地形です。高層ビルが密集する都心部と異なり、川沿いは音を遮る障害物が少ないため、音波がそのまま広がりやすい環境にあります。
さらに風向きも大きく影響します。風が会場から住宅地へ向かって吹いている場合、音が押し流されるように遠方まで運ばれます。逆に風向きが反対なら音は弱まります。
加えて、夜間や夕方は「気温の逆転現象」が起こることがあります。通常は上空ほど気温が低くなりますが、特定の条件では逆転し、音が地表付近に反射しながら遠くまで届きやすくなります。
こうした複数の条件が重なると、会場周辺だけでなく数キロ離れた住宅地でもライブ音が聞こえることがあります。
つまり、会場のスピーカー出力だけが原因ではなく、自然環境も大きく関係しているのです。
等々力でライブを開催する際の課題
等々力エリアはスポーツイベントが頻繁に開催される場所として知られています。
しかし、サッカーやラグビーなどの試合と、大規模音楽ライブでは音の性質が異なります。
スポーツイベントの場合、歓声やアナウンスは断続的です。一方で音楽ライブは高出力スピーカーから連続的に音が発生します。
特にロックバンドのライブでは、ベースやドラムによる低音が強調される傾向があります。そのため、同じ会場でもスポーツ開催時以上に周辺へ音が広がる可能性があります。
また、スタジアムは観客席の確保や視認性を重視して設計されているため、コンサート専用ホールのような本格的な防音設備を備えているわけではありません。
屋根で覆われたアリーナやドーム会場であれば音の拡散をある程度抑えられますが、屋外スタジアムでは限界があります。
そのため、イベント主催者は開催前に自治体や近隣住民への説明を行うケースがありますが、それでもすべての苦情を防ぐことは難しいのが実情です。
防音対策は行われていないのか
「これだけ音が漏れているなら防音対策をしていないのでは」と感じる人もいるかもしれません。
しかし実際には、多くのライブではさまざまな対策が講じられています。
例えばスピーカーの向きを調整し、住宅地への直接的な音の放射を抑える工夫があります。また、音量の上限を自治体との協議によって設定する場合もあります。
さらに近年では指向性の高いスピーカーを使用し、必要以上に広範囲へ音が拡散しないようにする技術も進歩しています。
ただし、どれほど技術が進歩しても屋外ライブで完全に音漏れを防ぐことは現実的ではありません。
特に重低音は壁や建物を透過しやすく、距離が離れても振動として伝わります。
そのため、「対策をしている=全く聞こえなくなる」わけではなく、あくまでも影響を軽減するためのものと考える必要があります。
ファンと住民、それぞれの立場
今回の件では、ファン側と住民側の意見が大きく分かれました。
ファンにとって解散ライブは一生に一度の特別な機会です。長年応援してきたバンドの最後のステージを楽しみたいという気持ちは当然でしょう。
一方で、ライブに興味のない住民にとっては事情が異なります。
休日に自宅で過ごしたい人、仕事をしている人、勉強中の学生、小さな子どもを寝かしつけている家庭など、さまざまな生活があります。
そのため、「ファンだから許される」「住民だから我慢すべき」と単純に割り切れる問題ではありません。
大規模イベントが地域経済に貢献する面がある一方で、周辺環境への負荷も発生します。
双方の立場を理解しながら、主催者や自治体がバランスを取ることが求められます。
今後求められる対応とは
今後もスタジアムでの大型ライブは継続的に開催されると考えられます。
そのため、騒音トラブルを減らすためには、事前の情報共有がより重要になるでしょう。
開催日時や終了予定時刻を広く周知することで、住民側もある程度心構えができます。また、問い合わせ窓口を明確にすることで、不満や苦情が適切に処理されやすくなります。
技術面では音響設備のさらなる改善も期待されています。近年は音を必要な範囲へ集中させる技術が進化しており、今後は住宅地への影響をさらに抑えられる可能性があります。
大規模ライブは多くの人に感動を与える一方で、地域との共存も欠かせません。
SHISHAMOの解散ライブを巡る今回の話題は、単なる騒音問題ではなく、イベント運営と地域社会のあり方を考えるきっかけになったといえるでしょう。
ファンが気持ちよくライブを楽しめる環境と、住民が安心して生活できる環境。その両方を実現するための工夫が、今後ますます重要になっていくのではないでしょうか。

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