SNSで話題になることは時に光であり、影にもなります。
2025年、神奈川県内で“制服がかわいい”と注目を集めたある県立高校が、ネット上で話題になったことをきっかけに盗撮の標的となってしまったという、ショッキングな事件が報じられました。
この記事では、被害が相次ぐ背景や警察の対応、ネット社会における“注目”の危うさなどを掘り下げます。
◆ 事件の概要:制服目当ての盗撮行為が続発
● 被害は横浜市内の最寄り駅で多発
報道によると、被害は横浜市内にある県立高校の女子生徒を対象に集中して発生しています。
その多くは、通学時間帯に最寄り駅の階段やエスカレーターで盗撮行為が行われたというもので、警察は非常に深刻な事態と捉えています。
2025年1月から11月末までの間に、少なくとも9人の男が盗撮などの容疑で書類送検されました。さらに12月にも40代の弁護士を含む4人の男性が盗撮未遂の容疑で警察の事情聴取を受けています。
◆ 実際にあったケース:関西から“制服目当て”で遠征
この事件の異常さを象徴する事例があります。
大阪府に住む20代の会社員男性が、なんと夜行バスで横浜まで移動し、駅の階段で女子生徒を盗撮。
その場で、いわゆる“私人逮捕系”の動画配信者に取り押さえられ、後日警察が書類送検しました。
男は取り調べに対し、
- 「TikTokで生徒が踊っているのを見て、撮りたくなった」
- 「関西には好みの制服がなかった」
と供述しており、非常に悪質で、かつSNSの影響力の負の側面が浮き彫りになる事案です。
◆ 話題になった“制服がかわいい高校”はどこ?
現時点で、警察や報道機関から学校名は公式に発表されていません。
ただし、以下のような情報が公開されています。
- 横浜市に所在する神奈川県立高校
- SNS(主にTikTokやInstagram)で「制服がかわいい」と話題に
- 最寄り駅では警察官が重点警備中
- 多数の盗撮事案が発生
このような条件に該当する高校として、インターネット上ではいくつかの学校名が候補として挙がっていますが、あくまで噂の域を出ておりません。
◆ SNSで“制服推し”の動画がバズるリスク
SNSでは、「◯◯高校の制服かわいすぎる」「横浜のJKやばい」など、ハッシュタグを通じて女子高校生の制服姿を称賛する投稿が頻繁に見られます。
投稿者は軽い気持ちで動画や写真を上げていることが多いですが、その裏で、
- 制服を見たさに不審者が現れる
- 無許可で動画や写真が拡散される
- 通学経路や登校時間が特定されやすくなる
といった深刻な危険が潜んでいるのです。
▼ 制服だけで“高校が特定される”時代
日本の高校は、制服が個性的であることも魅力のひとつですが、それが逆に生徒のプライバシーを脅かす材料にもなり得るようになってきています。
とくにTikTokやInstagramは、映像がバズりやすいため、制服や顔、背景などから「学校名」があっという間に拡散されるリスクが高いです。
◆ 警察の対応:最大6人の警官を駅に配置し警備強化
神奈川県警は、この状況を非常に重く見ています。
特に12月1日から24日にかけては、朝の通学ラッシュに合わせて1日最大6人の警察官を最寄り駅に配置し、集中取り締まりを実施しました。
この警備体制によって、4人の盗撮未遂容疑者を特定。
1人は40代の弁護士で、「女性の下着を撮りたかった」と供述したと報じられています。
駅では「盗撮捜査のエース」と呼ばれる私服警官が、駅に自然に溶け込みながら目を光らせており、短時間での検挙に至ったケースもあります。
◆ ネットの反応:制服動画への警戒感も高まる
事件発覚後、SNSでは大きな議論が巻き起こっています。
◉ 批判的な意見
- 「制服動画をバズらせるからこうなる」
- 「親も気をつけるべき」
- 「なぜ学校は制服を変えないのか?」
制服文化やSNS利用に対して懐疑的な声が目立っています。
◉ 擁護・警鐘の声
- 「制服が悪いんじゃない、撮るやつが悪い」
- 「加害者の責任が100%」
- 「SNSの使い方を教育で教えるべき」
社会の構造や教育の在り方にまで言及する冷静な意見も多く見られます。
◆ 制服の魅力は“守られるべき文化”か、それとも“再考すべき表現”か?
日本の制服文化は、時に誇らしく、時に危うい。
世界的にも評価される美しいデザインが多く、ファッション誌や観光案内にも取り上げられる一方で、今回のような事件があると、「制服=性的消費」の構図が否応なく浮かび上がってしまうのも事実です。
今後は、
- 学校・教育委員会による制服デザインの見直し
- SNS上での制服投稿のマナー啓発
- スマホ・動画配信のモラル教育
といった多方面での取り組みが必要とされるでしょう。
◆ 結論:誰もが“加害者”にも“被害者”にもなり得る時代
今回の事件は、加害者が遠方から来た20代男性や40代弁護士であること、被害者が未成年の女子生徒であること、そしてSNSが間接的に関係していたことなど、現代社会の縮図とも言える構造を持っています。
ネットに1本投稿された動画が、誰かを興奮させ、誰かを傷つける。
バズった制服姿が、見知らぬ誰かにとっての「ターゲット」になる。
――そんな時代に、私たちは生きているのだと改めて実感させられる事件でした。
注目されることの裏側には、必ずリスクが潜んでいる。
若者を取り巻く環境の“光と影”を、今こそ社会全体で見直すべき時期に来ているのかもしれません。

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