2025年8月21日に放送された『徹子の部屋』に登場したスワーダ・アル・ムダファーラさん。その壮大な人生と波瀾万丈のエピソードに多くの視聴者が心を動かされました。日本生まれの女性が中東オマーンの地で教育機関を築き上げ、ついには国際的にも高く評価される存在となる──これはフィクションではなく、彼女が歩んできた“本物の人生”です。
この記事では、スワーダさんの基本プロフィールから国籍、家族、学校創設に至るまでの経緯、著書の内容、そして「徹子の部屋」で明かされた秘話まで、網羅的にご紹介します。
■ スワーダ・アル・ムダファーラの基本情報と旧名
スワーダさんは元々、日本の立川市で生まれ育ち、旧名は「森田美保子」さんといいます。日本の伝統文化に親しんだ家庭で育ち、茶道や華道なども習得していたそうです。
高校卒業後は金融機関に勤務し、その後、結婚や出産を経験。シングルマザーとして子育てに励んだ時期もあったとのこと。
1979年に文化交流の一環としてオマーンを訪れたことが、彼女の人生の大きな転機となりました。
■ 国籍は？なぜオマーンへ？劇的な運命の分岐点
オマーンへの初訪問は文化使節団の一員として。そこで偶然にも、滞在先のトイレにさりげなく花を飾った行為が、オマーンの宮内大臣の目に留まり、その「日本的な美意識」に感銘を受けた大臣から再来訪を求められたのです。
一度は帰国しましたが、その後も粘り強い誘いを受け、再びオマーンへ渡航。現地の人々と交流を重ねるうちに、宗教や文化に深く共感し、ついにはイスラム教に改宗。スワーダ・アル・ムダファーラというアラビア語の名前を授かりました。
この名前は、ムスリム社会で非常に格式のある名とされており、彼女の真摯な姿勢が評価されたことを物語っています。
彼女はその後、日本の名前を完全にムスリム名に変更するという、日本では非常に稀な改名手続きを経て、国籍も変える決断を下しました。
■ 砂漠に“世界一の学校”を創設
オマーンでの生活に馴染んだ後、彼女が見出したのは「教育の可能性」でした。
1990年、オマーンの首都マスカットにて「アザン・ビン・ケイス・プライベートスクール」を設立。幼稚園児5人からのスタートでしたが、革新的な教育理念を持ち込みました。
特徴的なのは、以下の点です：
- 暗記重視ではなく「考える力」にフォーカス
- 英語・ITを早期から導入（PC教育を1991年から実施）
- 全校生徒と握手を交わす校長としての信頼構築
- オープンドアポリシーによる校長室運営
地道な努力が実を結び、この学校はオマーン国内でもトップクラスの学力を誇る存在となりました。国際的な学力テストでは世界最高点を記録する生徒も現れ、「世界一の学校」と評されるようになります。
■ 「世界が尊敬する日本人100人」にも選出
スワーダさんの努力と成果は、やがて国際的にも高く評価されることになります。
2007年には米・ニューズウィーク誌の「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれ、2011年には「世界に変化をもたらした女性リーダー10人」にも名を連ねました。
教育現場でのリーダーシップと、異文化への橋渡し役としての功績は、多くの人々にとって大きな刺激となっています。
■ 彼女の著書『砂漠に創った世界一の学校』とは？
スワーダさんの人生と学校経営のリアルを綴った一冊が、著書『砂漠に創った世界一の学校』です。
本書では、日本人女性が中東の地で教育改革を試み、数々の苦難を乗り越えて名門校を築き上げた過程が赤裸々に語られています。特に次のような点が印象的です：
- 最初の生徒は5人、資金難で不渡りを出したことも
- 夫婦関係との両立に苦労（4度の結婚・離婚も経験）
- 教育者としての信念を貫いた軌跡
教育に悩む親世代や、夢に挑戦したい若者にも強く訴えかける内容となっています。
■ 徹子の部屋出演で明かされた秘話
『徹子の部屋』出演では、オマーンの民族衣装に身を包み登場したスワーダさん。
収録では、黒柳徹子さんとの間に共通する「学校に馴染めなかった過去」などの話題も飛び出し、視聴者にとって親近感のあるやりとりが印象的でした。
番組では、
- 学校創設の動機
- 実際の苦労や資金難
- 異国の地での人間関係の難しさ
- 宗教と文化の相互理解の重要性
といったテーマについて、率直に語られていました。
■ スワーダさんの現在とこれから
現在は校長職を退き、ライフコーチや教育アドバイザーとして活動。日本とオマーンを行き来しながら、今なお“挑戦する心”を大切にしているとのこと。
「年齢はただの数字」という言葉を体現するように、現在も60代後半～70代前半と見られるスワーダさんは、常に前向きで情熱的です。
■ まとめ｜“砂漠に花を咲かせた”日本人女性
- 旧名：森田美保子
- 国籍：元日本人 → オマーンに帰化
- 現在の名前：スワーダ・アル・ムダファーラ
- 活動拠点：オマーン・マスカット
- 設立した学校：アザン・ビン・ケイス・プライベートスクール
- 年齢：60代後半～70代前半（推定）
- 特徴：元銀行員、シングルマザー、教育改革者、ムスリム女性、4度の結婚歴あり
スワーダさんの物語は、「自分を信じ、信念を持ち続ければ、どんな異国でも花は咲く」ことを証明してくれました。
彼女の歩みは、単なるサクセスストーリーではなく、文化や宗教、性別を越えて生きる“現代の冒険者”として、多くの人に勇気と希望を与える存在だと言えるでしょう。
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