スマートフォン向けゲーム「キズナ進化」が、人気ゲーム「ポケットモンスター」に非常によく似ているとして、SNSやゲームファンの間で注目を集めています。
広告やストア画面には、ピカチュウ、リザードン、カビゴン、ホウオウなどを思わせるキャラクターが並び、実際のゲーム内にもポケモン作品で知られるキャラクターと酷似した存在が登場すると指摘されています。
さらに、App Storeでは「せいれいたいり」という別タイトルのゲームも配信されており、両者の内容がほぼ同じではないかという声も出ています。
では、「キズナ進化」は本当にポケモンの公式ゲームなのでしょうか。それとも、無断でキャラクターや世界観を利用した非公式アプリなのでしょうか。
今回は、ストア情報や公開されている内容をもとに、「キズナ進化」の正体や運営元、安全性について整理します。
キズナ進化はポケモン公式アプリではない可能性が極めて高い
結論からいうと、「キズナ進化」が株式会社ポケモンや任天堂から配信されている公式ゲームであることを示す情報は確認できません。
ポケモンの公式スマートフォンゲームであれば、通常は配信元や著作権表記に、株式会社ポケモン、任天堂、ゲームフリークなどの権利関係者が明記されます。
しかし、報告されている「キズナ進化」のデベロッパー名には、ポケモンの権利者とは異なる名称が表示されていたとされています。
また、App Storeで公開されている「せいれいたいり」の現在のデベロッパー表記は「深圳医客网络科技有限公司」で、ストア説明でも株式会社ポケモンや任天堂との関係は示されていません。レビュー欄には「公式アプリではありません」と注意を促す投稿も確認できます。
このため、少なくとも現時点では、ポケモン公式タイトルとして扱うべきアプリではないと考えられます。
なぜ「パクリ」といわれているのか
「キズナ進化」がパクリアプリと呼ばれる最大の理由は、単にゲームシステムが似ているからではありません。
紹介画像やゲーム画面に登場するキャラクターの外見が、ポケモンの既存キャラクターと非常によく似ていると指摘されているためです。
公開された画面では、
- ピカチュウに見える黄色いキャラクター
- リザードンを思わせるオレンジ色のドラゴン
- カビゴンに似た大型キャラクター
- ハッサムやピジョット、ホウオウに近い姿
などが確認されたと報告されています。
実際にアプリを調査した複数の記事でも、ゲーム内にピカチュウなどポケモン作品のキャラクターと認識できる表現が登場するとされています。
一般的なモンスター育成ゲームであれば、捕獲や育成、属性バトルといった仕組みが似ているだけで、直ちに権利侵害とは限りません。
しかし、既存キャラクターのデザイン、名称、画像などをほぼそのまま使用している場合は、単なる「似たゲーム」とは事情が異なります。
「せいれいたいり」と中身が同じって本当?
「キズナ進化」と同時に注目されているのが、iPhone向けに配信されている「せいれいたいり」です。
App Store上では、「激しい戦闘を通じて世界を救うアクションアドベンチャーゲーム」と説明されています。無料で配信されており、アプリ内課金が設定されています。
一方、実際の紹介画像やゲーム内容については、「キズナ進化」とほぼ同じではないかとの検証記事が公開されています。キャラクター選択画面や戦闘システム、ポケモンを連想させる画像などが共通しているとされています。
ただし、両アプリが同じソースコードや共通サーバーを使用しているかどうかは、外部から完全には確認できません。
見た目や内容が似ていることから、同一のゲームをタイトルや配信名義だけ変更して公開している可能性は考えられますが、運営主体の内部関係まで断定するには追加の証拠が必要です。
同じようなアプリが複数配信される理由
内容の似た非公式ゲームが複数の名前で公開される背景には、いくつかの事情が考えられます。
まず考えられるのが、ストアから削除された場合に備えたリスク分散です。
著作権や商標権を侵害していると判断されたアプリは、権利者からの申し立てやストア運営会社の審査によって削除される可能性があります。
そこで、同じゲームを別タイトル、別のデベロッパー名、別アカウントで配信しておけば、片方が削除されても別のアプリを残せる可能性があります。
また、既存のゲームデータを使い回せば、新たに開発するよりも少ないコストで複数のアプリを公開できます。
アプリの名称やアイコンだけを変えて再配信する「リブランド」や「再公開」は、アプリ市場でも確認されている現象です。研究でも、アプリが大幅に名称や用途を変えて再登場する「アプリ・メタモルフォーシス」には、利用者が気づきにくいセキュリティやプライバシー上のリスクがあると指摘されています。
運営会社はどこの国?
「キズナ進化」については、公開時期やストアによって「Moonistaix」「Brilliancy App」など、複数のデベロッパー名が表示されていたとの調査があります。
調査記事では、アメリカの住所やパキスタンの個人名義が登録されていたとされています。
一方、「せいれいたいり」の現在のApp Store上のデベロッパー名は、中国・深圳を示す名称の「深圳医客网络科技有限公司」です。
ただし、ストアに登録された住所や名義だけで、実際の開発拠点や運営組織の所在地を確定することはできません。
アプリ配信では、開発会社、販売名義、決済事業者、サーバー運営者が別々である場合もあります。
そのため、「アメリカ企業」「パキスタン企業」「中国企業」と単純に断定するより、運営実態が分かりにくいアプリであると捉えるのが適切でしょう。
遊ぶだけでも危険なの?
「非公式だから、課金しなければ大丈夫」と考える人もいるかもしれません。
しかし、運営実態が不透明なアプリを利用する場合は、課金以外にも注意が必要です。
特に確認したいのは、インストール時に要求される権限です。
ゲーム内容と関係の薄い、
- 連絡先
- 写真や動画
- マイク
- 位置情報
- SMS
- 端末内ファイル
などへのアクセスを求めてくる場合は、安易に許可しない方がよいでしょう。
また、アプリ外の決済ページや、いわゆる「チャージセンター」へ誘導された場合も注意が必要です。
ストア公式の決済システムを使わず、外部サイトでクレジットカード番号や個人情報を入力させる仕組みは、情報管理の実態が見えにくいためです。
現時点で「キズナ進化」がマルウェアであると断定できる公的な検証結果は確認できません。
しかし、権利関係や運営元が不透明である以上、公式ゲームと同じ感覚で個人情報や決済情報を預けるのは避けた方が安全です。
課金した場合のリスク
非公式アプリへの課金では、サービス継続性も問題になります。
仮に権利者からの申し立てでアプリが突然削除された場合、ゲームへログインできなくなったり、購入したアイテムや育成データを利用できなくなったりする可能性があります。
通常の運営会社であれば、サービス終了前に告知や払い戻し対応が行われる場合があります。
しかし、運営元の連絡先や会社情報が不透明なアプリでは、問題が起きた際に十分なサポートを受けられる保証がありません。
アプリ内課金が用意されていることは、現在のApp Store情報からも確認できます。
興味本位で始めたとしても、高額課金や継続的な支払いは避けるのが無難でしょう。
すでにインストールした場合の対処法
すでに「キズナ進化」や類似アプリをインストールしている場合は、まず端末の設定からアプリ権限を確認してください。
不要な権限を許可していた場合は解除し、今後利用しないのであればアンインストールを検討しましょう。
外部サイトでメールアドレスやパスワードを登録した場合は、同じパスワードを使っている他サービスも含めて変更した方が安全です。
クレジットカード情報を入力した場合は、利用明細に不審な請求がないか確認してください。身に覚えのない決済があれば、カード会社へ早めに連絡する必要があります。
GoogleアカウントやApple IDと連携した場合は、アカウント設定から連携中のアプリを確認し、不要なアクセス権を取り消すことも重要です。
ポケモン側は対応している?
現時点で、株式会社ポケモンや任天堂が「キズナ進化」を名指しして公式声明を出したことは確認できません。
ただし、SNSではGoogle Playへ不適切なコンテンツとして報告したという利用者の投稿も見られます。
権利者がアプリの存在を把握しているのか、削除要請などを行っているのかは不明です。
また、ストアに掲載されているからといって、権利者から正式な許諾を受けた作品であるとは限りません。
審査を通過した後に問題が発覚し、配信停止になるアプリもあります。
見分けるためのチェックポイント
ポケモン関連を名乗るアプリを見つけたときは、まずデベロッパー名を確認しましょう。
株式会社ポケモンや公式パートナーとの関係が示されていない場合は、注意が必要です。
さらに、
- 日本語の説明が不自然
- 公式サイトが存在しない
- 連絡先がフリーメールだけ
- 著作権表記がない
- 有名キャラクターをそのまま使用
- 外部課金を強く勧める
- 会社情報とサポート名義が一致しない
といった特徴が複数ある場合は、インストールを控える判断材料になります。
公式かどうか判断できない場合は、株式会社ポケモンの公式サイトに掲載されているゲーム一覧から確認するのが確実です。
まとめ
今回は、「キズナ進化」がポケモンのパクリアプリなのか、その実態についてまとめました。
公開されているストア情報やゲーム画面を見る限り、「キズナ進化」は株式会社ポケモンや任天堂が配信する公式ゲームではない可能性が極めて高いと考えられます。
ポケモンの既存キャラクターと非常によく似たデザインが使われていると報告されており、App Storeの「せいれいたいり」と内容が共通しているとの指摘もあります。
ただし、両アプリを同じ組織が運営していることや、違法性が司法機関によって確定したことまでは確認できません。
そのため、「公式との関係が確認できない非公式アプリ」「権利侵害の疑いが強く指摘されているゲーム」と表現するのが正確でしょう。
運営元の実態やサポート体制が分かりにくい以上、個人情報の登録、外部サイトでの決済、高額課金は避けることをおすすめします。すでに利用している場合は、アプリ権限や連携アカウント、決済履歴を一度確認しておくと安心です。

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