2023年12月15日、東京・赤坂のプライベートサウナ「サウナタイガー」で火災が発生し、男女2名(夫婦)が死亡する事故が発生。
この事件をめぐり、店舗の設備管理の不備(非常ボタンの電源が2年前から入っていなかった、ドアノブの不具合など)が次々と明らかになるなか、過去にこの施設をPRしていた女性インフルエンサーが“実際には訪れていないにもかかわらず”常連風の投稿をしていた疑惑が浮上し、ステルスマーケティングの可能性が取り沙汰されている。
【サウナタイガー】事故の背景と“ステマ疑惑”のインフルエンサーAとは?
◼︎ 赤坂で起きた悲劇 —— 高級個室サウナ「サウナタイガー」とは
「サウナタイガー」は、赤坂のビルの一角に店舗を構える高級個室サウナ。完全予約制、完全個室、さらに内装はラグジュアリー志向とされ、一部の富裕層やインフルエンサー、芸能関係者にも注目されていた施設です。しかし、今回の火災事故を受け、その華やかなイメージの裏側にあるずさんな管理体制が明るみに出ました。
ドアノブの不具合、非常ベルの電源が入っていなかったことなど、想像を絶する安全意識の低さが指摘され、施設側への信頼は失墜。中でも、警察の調査により「非常用ボタンの電源が2年前からオフのままだった」との証言が、さらなる波紋を呼んでいます。
◼︎ 広告塔?“本当は行っていない”女性インフルエンサーAの投稿が問題に
この事故と同時に注目を集めたのが、ある女性インフルエンサーAの過去の投稿です。問題とされているのは、「サウナタイガー」に実際には訪れていないにもかかわらず、あたかも常連客のように振る舞ったSNSの内容。
「ここのサウナ、やっぱり最高。週1で通ってる♪」
「サウナタイガーは一度来たら他に行けなくなるよね♡」
といった、親しみを込めた投稿がなされていたものの、関係者によると、実際にこの女性が来店した記録は一度もなかったというのです。
これは単なる勘違いや演出では済まされない話で、**「ステルスマーケティング」(いわゆるステマ)**として法的な問題に発展する可能性も指摘されています。
◼︎ インフルエンサーAは誰?名前の特定は?
2025年12月23日現在、記事中ではインフルエンサーAの実名は明記されていません。
匿名のまま報じられており、捜査関係者や記者の間でも「A氏の身元」についての憶測が飛び交っている段階です。
ただし、以下のような情報が断片的に語られています:
- フォロワー数は5万人以上(Instagram)
- 美容やライフスタイルを中心に投稿する“サウナ女子”として一定の支持があった
- これまでにも複数のサウナ関連ブランドや施設とタイアップしていた
さらに、ネット上では過去に「#サウナタイガー」「#サウナ最高」といったタグを使っていたインフルエンサーが自主的に該当投稿を削除しており、それが逆に“疑惑”を強める結果となってしまっています。
そのため、「この人では?」という名前がSNSや掲示板で複数挙がっているものの、現時点では確定的な証拠がないため名指し報道は行われていません。このことから、A氏の身元については依然として「特定には至っていない」と言える状況です。
◼︎ ステマの問題 —— SNS時代の光と影
今回のケースで特に注目すべきは、「インフルエンサーの影響力」と「情報の信ぴょう性」についての問題提起です。
SNSでは、フォロワー数の多い人物が商品やサービスを紹介することにより、多くの人がその情報を信じ、行動を起こします。しかし、それが広告であることを明示しないまま投稿されていた場合、消費者は“純粋な意見”と誤解しがちです。
本来、インフルエンサーが報酬や無償提供を受けて商品を紹介する場合には、「#PR」「#広告」などのタグ付けが義務付けられています。にもかかわらず、A氏のように、それを曖昧にしたまま投稿することは、消費者庁や公正取引委員会が警鐘を鳴らす“景品表示法違反”に抵触する可能性もあるのです。
特に今回のように、紹介した施設で死亡事故が発生してしまった場合、その影響は計り知れません。
◼︎ 施設側の責任と“広告塔”の影響力
「サウナタイガー」のオーナーは、警察の調べに対して、「非常用ボタンの電源を2年前から入れていなかった」と話しており、管理体制の甘さが致命的な結果を招いたといえます。
ただし、その運営体制とは別に、施設の宣伝手法もまた大きな問題です。
豪華な内装、非日常感を演出するSNS投稿、インフルエンサーによる“絶賛レビュー”。それらは一見魅力的に見えますが、裏で虚偽の演出が行われていたのであれば、それは意図的な消費者ミスリードです。
実際に訪れたわけでもなく、「最高!」と絶賛していた投稿が一部で注目を集め、施設への予約が殺到した過去もあるといいます。つまり、インフルエンサーの影響で、現場に足を運んだ利用者も少なくないのです。
今回のように事故が起きてしまった今、そうした行為の“倫理的責任”も問われていくでしょう。
◼︎ 業界全体への波紋 —— サウナ業界が直面する信頼危機
今回の事件は、単に「一店舗の失態」に留まりません。PRを通じて得られた“華やかなイメージ”が、インフルエンサーの虚偽投稿によって裏切られたこと、そして、それが実際の死者を出すに至ったことは、業界全体への信用失墜を招いています。
記事によれば、他のサウナ施設でも「キャンセルが相次いでいる」とのこと。安全面や運営体制への不安、さらには広告の真偽を疑う声も高まり、サウナブームに水を差す形となっています。
◼︎ 結論:インフルエンサーAの正体と、これから問われる責任
インフルエンサーAについては、現時点で名前は特定されておらず、報道上も匿名のままです。しかし、SNS上での疑惑や過去の投稿の削除などから、「関係者やフォロワーの間ではすでに誰なのか分かっているのでは?」という見方もあります。
それでも重要なのは、「誰か」を追及することだけでなく、こうした広告手法そのものにメスを入れることです。
- 本当に自分の言葉で語っているのか?
- その投稿には利益が絡んでいないか?
- 安全性は確保されているか?
消費者としても、情報の取捨選択が問われる時代。インフルエンサーAの存在は、その象徴的な“警鐘”となったのかもしれません。
まとめ
「サウナタイガー」の火災事故をめぐり、PRに関与していた女性インフルエンサーAの投稿に疑惑が浮上し、ステルスマーケティングの問題として波紋を呼んでいます。名前は特定されておらず、現在も匿名のままですが、SNS社会における「影響力の責任」について、多くの示唆を与える事例といえるでしょう。

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