お笑い界には多彩な個性が集い、毎年のように新星が登場していますが、その中でも一際ユニークな存在として注目されているのが、「めぞん」の吉野おいなり君です。独自の世界観と卓越したラップスキルを武器に、M-1グランプリ2025年ファイナリストとしてその名を全国に轟かせた彼の歩みを、今回はじっくりとご紹介します。
本名や出身、基本情報まとめ
まずは、吉野おいなり君の基本プロフィールから整理していきましょう。
- 芸名:吉野おいなり君
- 本名:吉野 裕介(よしの ゆうすけ)
- 生年月日:1994年2月3日(2025年現在 31歳)
- 出身地:福岡県北九州市
- 身長/体重:171cm/61kg
- 血液型:A型
- 所属:吉本興業(東京NSC22期)
- 最終学歴:定時制高校卒業(大学進学なし)
- 趣味:ダーツ、ヒップホップ、漫画鑑賞
- 特技:即興ラップ
彼は芸名の由来について明確に語ったことがないため、「おいなり君」という名前がどのように生まれたのかは、ファンの間でもちょっとした謎となっています。
芸人としてのスタートとコンビ「めぞん」の結成
吉野おいなり君が所属する「めぞん」は、2016年6月に誕生したお笑いコンビ。相方の原一亥(はら いちがい)さんがツッコミを担当し、吉野さんが主にボケとネタ作成を担っています。二人は吉本興業の東京NSC22期生として出会い、同期には「令和ロマン」や「エバース」など、同じく注目されている芸人たちが並びます。
「めぞん」というコンビ名の誕生秘話もユニークで、当時LINEでコンビ名を考えていた吉野さんが、偶然目にした漫画『めぞん一刻』からインスピレーションを得て命名したそうです。このレトロなセンスも彼のキャラ性を象徴しています。
学歴と学生時代の背景
吉野おいなり君の最終学歴は定時制高校卒業です。大学には進学していないことが公に語られており、学業と仕事を両立しながら自分の進路を見つけたタイプの芸人です。
中学については、「北九州市立思永中学校」出身ではないかといわれていますが、公式な情報ではなく、あくまでネット上での推測にとどまっています。
ラップとお笑いの融合
吉野おいなり君のもう一つの強みは、即興ラップという特技です。これまでにも、ヒップホップをテーマにした番組『フリースタイルティーチャー』に出演した経験があり、その実力は「芸人枠」として見てもかなりのものと評価されています。
ネタの中にもラップ要素を自然に取り入れており、漫才の枠を超えた表現力が魅力です。こうしたスタイルは、ただの面白さだけでなく、聴く者の耳に残るリズム感とテンポの良さを提供してくれます。
“超シスコン芸人”としての側面
彼のもう一つの異彩を放つポイントが、「超シスコン芸人」としてのキャラクターです。
実際は一人っ子でありながら、14歳の頃に自らの妄想の中で3人の妹を創造。「ゆうか」「ゆめ」「うた」と名付けられたその妹たちは、それぞれ高校生という設定で、まるで実在するかのように日常の会話やネタに登場します。
この架空の妹たちは、吉野さんが中学時代に感じた孤独や家族への思いを背景に生まれた存在。両親の離婚後、母親との二人暮らしで育った彼にとって、「兄として妹を守りたい」「妹に愛されたい」という想いが具現化したのが、この“妄想の妹”たちだったのです。
架空の妹たちの存在とそのリアリティ
彼が語る「妹たちとの生活」は非常にディテールが細かく、まるで実在の家族のように語られます。
たとえば、長女の「ゆうか」は高校3年生、双子の次女・三女「ゆめ」と「うた」は高校1年生という設定。彼は、SNSや舞台で妹たちとの日常についてまるでホームドラマのように描写し、時には「お弁当を作ってもらいたい」と願望を語ったり、「妹に彼氏ができたら嫉妬してしまう」といったエピソードを熱弁します。
この「妄想家族」は単なるギャグやネタという域を超え、彼の芸風そのものの軸になっているとも言えるでしょう。自身のスマホでは「兄妹」という変換が標準化されているほど、生活の中に根付いているのです。
SNSやメディアでの活躍と現在の人気
SNSの活用も非常に上手く、Twitter(X)やYouTubeでは自らの妄想世界をさらに発展させたり、即興ラップを披露したりと、舞台とは違った魅力を発信し続けています。
また、人気雑誌『クイック・ジャパン』では、「吉野おいなり君の妄想日記」という連載も持ち、その中で「妹たちとの日常」をよりリアルに、かつ芸術的に描き続けています。
こうした活動が注目を集め、2025年にはM-1グランプリでファイナリストにまで登り詰めるという快挙を達成しました。
今後の展望とまとめ
吉野おいなり君は、単なるお笑い芸人にとどまらず、「表現者」としての側面を強く感じさせる存在です。漫才という枠組みの中で、ラップ×妄想×家族愛という独自の三要素を織り交ぜる彼のスタイルは、まさにオンリーワン。
また、家族構成に由来するパーソナルな経験を芸風に取り込みつつ、それを笑いへと昇華する力は、今後の芸人像のあり方にも新しい風を吹き込んでくれそうです。
“超シスコン芸人”という一見奇抜なキャッチコピーの裏には、孤独や愛情への渇望といった人間味が滲んでおり、それこそが彼の芸が支持される大きな理由でもあります。
2025年の飛躍を経て、次はどんなステージでその才能を発揮するのか──吉野おいなり君から目が離せません!けど愛おしい存在感”が、さらに多くの人に届く日もそう遠くないはずです。

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