お笑いコンビ「とろサーモン」の久保田かずのぶ氏が2025年11月、テレビ朝日系のバラエティ番組『耳の穴かっぽじって聞け!』に出演した際に語った内容が、大きな反響を呼んでいます。
番組の企画「MC毒出しノート2025」において、久保田氏が語ったのは、長年胸に抱えていたという“あるMC”に対する不満と疑念。その発言は名指しこそされていないものの、明確な批判と怒りを伴っており、多くの視聴者が「誰のことを言っているのか?」と想像を巡らせることとなりました。
この記事では、久保田氏の発言の背景にある意図や業界構造との関係、そして「納得いかないMC」が誰なのかについて、推測できる範囲で考察していきます。
久保田が語った“納得いかないMC”とはどんな人物か?
まず注目すべきは、久保田氏の口から語られたMCの“人物像”です。番組内で久保田氏は、以下のような具体的な特徴を挙げてその人物を表現しました。
- 会った瞬間から高圧的で、「おまえ面白くないな」と言われた
- M-1チャンピオンという紹介ナレーションに対して、「まだ言ってるのか」と冷めた反応をされた
- バックステージや楽屋など、カメラが回っていない場所での振る舞いがひどかった
- そのMCは、後輩芸人や他の共演者からの評判も悪い
- 所属事務所の力が強く、その“後ろ盾”で番組の地位を確保しているように見える
- 番組中に他人を傷つける発言をして、場の空気を冷やすことがある
- 現場で誰もその人に逆らえない雰囲気がある
このような描写からは、業界内での地位が高く、発言力のある中堅~ベテランクラスの司会者であることがうかがえます。さらに、本人の芸歴よりも所属事務所の権力が影響力の源になっていると久保田氏は捉えているようです。
名前を出さなかったのはなぜか?久保田の“慎重な怒り”
久保田氏は、批判対象のMCの名前を一切明かさず、あくまで特徴のみを列挙する形で発言を展開しました。その背景には、芸能界という“縦社会”の中でのリスク回避の意図があったと考えられます。
実名を出してしまえば、名誉毀損や業務妨害といった法的なトラブルに発展する可能性もあり、何より久保田氏自身の今後の活動にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
しかし、それでもあえて“核心に迫る言葉”を選んで発言したことには、彼なりの覚悟と問題提起の意思が見て取れます。単なる愚痴ではなく、業界の体質や上下関係、演者間のリスペクトの欠如といった根深い構造を指摘したものとも言えるでしょう。
ネット上で囁かれる「このMCでは?」という憶測
SNS上では、久保田氏の発言を受けて「誰のことを言っているのか」が話題となり、いくつかの名前が挙げられています。ただし、ここでは断定を避け、あくまで条件に当てはまるとされる“推測されるMC像”を分析的に整理してみましょう。
条件1:テレビ番組のメイン司会を複数持っている
発言から察するに、その人物は一過性の売れっ子ではなく、テレビ業界で“城”を築いているMCです。つまり、自身の冠番組を持ち、タレントや芸人を多数迎えて回している人物でしょう。
条件2:芸人に対して高圧的・マウント的な言動をする
久保田氏は「ウケていても“つまらん”と潰してくる」「空気を壊す」と語っており、対等な立場ではなく“上から目線”の構造が強いMCであると見ているようです。
条件3:大手芸能事務所に所属している
「あなたの事務所が強いから、城を与えられている」という一言から、本人の実力よりも事務所の力がその地位に大きく関与していると久保田氏は感じていることがわかります。
条件4:他の芸人からも評判がよくない
単なる個人的な相性ではなく、「複数の後輩芸人や共演者もその人物に不快感を抱いている」という言葉からも、広範な“共通認識”があることが示唆されています。
久保田の怒りの正体は「空気を支配する構造」への異議か?
久保田氏の発言の中で注目すべきは、単なる「嫌いなMC」ではなく、“テレビの現場で誰も逆らえない空気”そのものに対する違和感や憤りです。
「誰もその人に意見を言わないから、傷つく人が出続ける」
「売れれば売れるほど誰も止められなくなる」
「気分を悪くされたら、電話が来るかもしれないけど、僕はちゃんと受け止めます」
こうした発言から、久保田氏は“忖度の連鎖”に警鐘を鳴らしていると解釈できます。リーダーシップを取るMCが空気を壊せば、現場全体が委縮する。それでも周囲は声を上げられず、その空間が無批判に維持されてしまう。そうした状態こそ、彼が最も問題視している点でしょう。
芸人同士の「笑い」にもある“力関係”
日本のテレビ文化、とりわけバラエティにおいては、「芸人同士のじゃれ合い」や「毒舌ツッコミ」など、見かけ上の“上下関係”は日常的に描かれます。しかし、そこに本質的な権力構造が伴ったとき、それは笑いの範囲を超えてパワハラや抑圧となり得ます。
久保田氏が告発した“MCの態度”は、まさにそのグレーゾーンに位置するものであり、他の芸人たちも似たような経験を持っている可能性があります。
勇気ある“実名なし告発”が与えた波紋
久保田氏が実名を出さなかったにもかかわらず、これほど話題になったのは、視聴者の多くが“想像できる”ほど、その発言に具体性があったからにほかなりません。
このような「名指しを避けた批判」は、過去にも芸能界で複数の例があり、最終的に当該人物が謝罪や釈明を行うケースに発展することもありました。つまり、名前を出さなくても、発言そのものが“業界内で何かを変える”きっかけになることがあるのです。
終わりに:誰もが発言できる業界にするために
久保田氏の発言は、一見すると単なる愚痴や陰口に見えるかもしれません。しかし、その奥には「誰もが対等に尊重される現場にしたい」「後輩たちが委縮せずにのびのびと表現できる環境を作りたい」という願いが込められているようにも感じます。
本来、笑いとは自由な発想と相互理解の上に成り立つものです。MCと演者が対等に尊重し合い、互いにリスペクトしながら笑いを生み出せる環境が理想ではないでしょうか。
久保田氏の“告発”が、テレビ業界やバラエティの在り方について再考するきっかけとなることを願ってやみません。

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